元祖・アラサー大学生が書きたいことを書く

思うところを気まぐれに綴っていきます

空港で「野宿」してみたら地獄だった

羽田空港国際線ターミナルの手荷物一時預かり所

悪いことは言わない。空港野宿はやめておけ

 

今回、私は羽田空港で野宿した。

野宿と言っても本当に野っ原で寝たわけではない。空港ターミナル内で一夜を過ごしたということだ。

だがそれが思った以上にきつかった

私のような愚かな真似をする犠牲者がこれ以上出ないように、空港野宿の過酷さを書き記しておこうと思う。

私が空港野宿することになった顛末

なぜ空港で野宿したか。

なんのことはない。飛行機代をケチって早朝便を予約したからだ。

今回の夏休み、故郷の大分に帰省するために、私は早朝6時半に出発する便を予約した。

この1年半バイトもしていなくて金銭的に余裕のない私は、なけなしの生活費を毎月少しずつ貯め、帰省のための飛行機代に当てた。少しでも交通費を抑えたかった私は、その日の便の中で一番安かった、始発便を予約したのだ。

問題は出発時間が早すぎて当日の朝空港に向かうと間に合わないことだった。もちろん、空港内や近隣のホテルに宿泊するのは交通費を抑えるという目的に対して本末転倒だ。そうなると必然的に前日の夜に空港に行って、ターミナルで一夜を過ごすということになる。

大変だろうけど、まぁなんとかなるだろう」と、予約するときの私は思っていた。

その先に、地獄が待っているとも知らずに......

出発前日の夕方、空港へ向かう

出発の前日、夕方4時半のリムジンバスに乗って羽田空港へ向かった。その日は夕方に調布花火大会と地域の阿波踊り大会が開催されるため、家の周りや電車が混雑する前に空港へ向かいたかったのだ。 

結果的にこの行動は正解だった。遅い時間になればなるほど、寝床の確保が難しくなるのだ。

荷物の前日預け入れは不可

羽田空港国内線第2ターミナルに到着した到着した私が最初にしたのは、荷物(スーツケース)の預け入れだ。

これから12時間以上を空港で過ごすことになる。少しでも身軽に行動したい。スーツケースをゴロゴロ転がして移動するのは大変だ。ひとり旅だから荷物番を頼むことのできる同行者もいない。

だが、前日のうちに荷物を預け入れるのは不可能だった。

 

いや、分かっていた。無理だってことは。ダメもとで試してみたのである。

羽田空港の第2ターミナルには自動で手荷物を預けることのできる機械*1が設置されている。有人カウンターに前日の荷物預けが出来ないか聞きにく図太さは私にはないが、機械相手なら気まずさもないから試してみようと思ったのだ。

案の定無理だった。搭乗券のQRコードを読み取らせても、自動手荷物預け機のディスプレイには「搭乗券が確認出来ません。荷物を取り出してください」と表示される。

無理なものは仕方ない。

 

羽田空港の国内線ターミナルは深夜閉鎖される。そのため野宿する人は国際線ターミナルでということになる。

私はスーツケースをゴロゴロ転がし、無料シャトルバスで国際線ターミナルへ向かった。

国際線ターミナルの手荷物一時預かりサービスを利用

国際線ターミナルには手荷物の一時預かりサービスがあるのでそれを利用した(記事冒頭の写真)。

料金は24時間以内なら500円。

出来るだけ出費は抑えたかったが、身軽に過ごすためと、防犯上このくらいの費用は仕方ない。

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充電スペース

このような充電スペースがあったので、スマホを充電しつつ本を読むなどして時間を潰した。

寝床を巡る壮絶なバトル

23時頃、そろそろ寝床を確保しようと思った私は2階の到着ロビーに向かった。

到着ロビーにはベンチがたくさん設置されているが、ほとんど人で埋まっている。既に横になっている人もいた。

幸いにも、2階の一番端に誰も使っていない3人がけのベンチを見つけることができた。

 

まだ寝る気分ではなかったのでベンチに腰掛けてスマホをいじっていると、ベンチのもう片方に綺麗なお姉さんがスッと座った。

嫌な予感がした。この女性、よもや私がどこかに行くのを待っていて、あわよくば寝床を奪おうとしているんじゃないかと。

その予感はどうやら当たっていて、そこから40分くらいお姉さんは微動だにしなかった。この人も空港で一夜を過ごすつもりのようだ。

お姉さんから無言の圧力を感じる。これはもうバトルだ。どちらか先に去ったほうが負けなのである

 

その後、お姉さんはその場を離れタリーズコーヒーへと入っていった。お姉さんとの無言のバトルに勝利したのだ

だが、またすぐに別の人にバトルを挑まれるか分からない。

このことに教訓を得た私はさっさと寝ることにした。

耳栓とノイズキャンセリングヘッドホンとアイマスクを付け、横になって目を閉じる。

 

だが、眠れない

いくら音と光を遮断しているとはいえ、周囲に人がいる気配は感じる。アナウンスの音も結構大きくて、耳栓とヘッドホンをしているにも関わらず聞こえてくる。

ベンチも寝ることを想定した作りでは当然ないので、狭い。私は結構大柄なので、腕の置き場がない。

結局、2時間ほど目を閉じていたが全然眠れなかった

目が冴えて眠れない私は、起き上がってベンチに腰掛けた。だがこれがいけなかった。たとえ眠れなくても横になっているべきだったのである。

空港野宿している人は思っていた以上に多く、深夜ともなると寝床を探して徘徊する人が獲物を狙うハイエナよろしくウロウロしていた。ベンチに腰掛けていると、先ほどのお姉さんと同様、どこから現れたのか子連れの外国人女性がスッと隣に座ってきた。

バトルスタートである

だが眠れずにいたことや、その場にずっといることに嫌気がさしていた私はさっさとその場を後にしてしまった。

空港内を彷徨うゾンビと化す

ベンチを離れた私はターミナル内を歩き回った。

ここで改めて人の多さに驚いた。時間は午前3時半頃である。にも関わらずターミナル内には人が溢れかえっている。ベンチというベンチには人が横になって寝ている。腰掛けるスペースもほとんどない。

ここで私は自分の行動の過ちに気づく。たとえ横になれなくてもベンチを離れるべきではなかったのだ。

ターミナル内を彷徨ったが、横になる場所はおろか腰掛ける場所すらない。なかには床に寝ている人もいる。眠ることもできず、腰掛けて休憩することもできずに空港内を彷徨っていた私はさながらゾンビのようだったろう。

 

その後2階の到着ロビーに戻ってきた私は、奇跡的にベンチの1人分の腰掛けるスペースを確保できた。

そこで夜が明けるのを静かに待った。

無料シャトルバスに乗ろうとする人々の長蛇の列

午前5時前。国内線ターミナルへの無料連絡バスが動き出す時間だったので、私はバス乗り場へ向かった。だがそこで見たのはバスに乗ろうとする人の長蛇の列だった。

どうやら私と同様、国内線の早朝便に乗るために国際線ターミナルで野宿する人が大勢いたらしい。さながら民族大移動のようだった。

立っているのもキツかった私は、朝の通勤ラッシュなみのバスなんかに押し込まれてしまったら死んでしまうんじゃないかと本気で思った。それくらい満身創痍だった。

 

結局、バスの待機列に並ぶことさえしんどかった私は、モノレールの始発列車で国内線ターミナルへ向かった。幸いモノレールは空いていて、快適に移動することができた

そして、燃え尽きる

そこから先のことはよく覚えていない。

とにかく疲れていてキツかった

大分に着いたその日はキツくて何も出来なかった。次の日も疲れが抜けず、一日中ぐったりしていた

まとめ

以上が、高々数千円をケチって結果的に時間と体力という大きなコストを払うことになった私の愚かな体験談である。

素直に日中の便に乗っていれば良かったと後悔している。

空港野宿は、屈強な体力どこでも寝られる図太さを持った人にしかオススメできない。どうしても早朝便に乗る必要があるときは素直にホテルに宿泊することをオススメする。

*1:ANA BAGGAGE DROPのことである